文化・スポーツ

サルの供養(くよう)

サルの供養 むかしむかし、東(ひがし)の方(ほう)の山(やま)に大(おお)きな木(き)が一面(いちめん)にしげり、シカやイノシシ、そしてタヌキなどがたくさんいたころ、二人(ふたり)の仲(なか)の良(よ)い狩人(かりうど)がいました。狩(か)りに行(い)くときはいつでも一緒(いっしょ)に出(で)かけたそうです。

 あるとき、片方(かたほう)が「今(いま)まで仲良(なかよ)く狩(か)りをしてきたが、まだ山(やま)ザルを捕(と)ったことがない。今度(こんど)はひとつ山(やま)ザルを捕(と)ってみよう。」と言(い)いました。もう片方(かたほう)が「でも、サルは昔(むかし)から撃(う)つものではないと聞(き)いているし、何(なに)かのたたりでもあると困(こま)るから、よしたほうがいい。」と言(い)うと、「なあに、山(やま)に住(す)んでるケダモノが、人(ひと)にたたるなんてあるものか。そんなことをいちいち気(き)にしていたんでは何(なに)もできねえ。」と、片方(かたほう)が強引(ごういん)に押(お)しきり、二人(ふたり)はとうとうサルを捕(と)ることに決(き)めました。そして朝(あさ)から、山(やま)から山(やま)へとサルの居場所(いばしょ)を探(さが)しましたが、なかなか見(み)つかりませんでした。

 二人(ふたり)があきらめて家(いえ)に帰(かえ)ろうとすると、大(おお)きな木(き)の上(うえ)でサルの鳴(な)き声(ごえ)がするではありませんか。二人(ふたり)は「いたいた」と大喜(おおよろこ)びで鉄砲(てっぽう)を向(む)けました。そのとき、サルは二人(ふたり)に向(む)かって両手(りょうて)を合(あ)わせ、まるで人間(にんげん)が「撃(う)たないでくれ」と拝(おが)んでいるようでした。しかし、二人(ふたり)はそんなことはかまわず、狙(ねら)いをつけ「バーン、バーン」と、サルを撃(う)ちとってしまいました。そして、撃(う)ちとったサルを見(み)てみると、身(み)ごもっていたのでした。

 すると、その年(とし)の春(はる)から気候(きこう)が不順(ふじゅん)で、夏(なつ)になっても寒(さむ)い北風(きたかぜ)が吹(ふ)き、冷(つめ)たい雨(あめ)が毎日(まいにち)のように降(ふ)り続(つづ)き、これが秋(あき)まで続(つづ)き、その年(とし)は、米(こめ)はもちろん、ソバやヒエ、そして大豆(だいず)や粟(あわ)も、みな実(み)が入(はい)らず、大凶作(だいきょうさく)となってしまいました。

 これを聞(き)いた芦(あし)ノ(の)草(くさ)の人(ひと)たちは、こんな悪(わる)い凶作(きょうさく)になったのは、サルのたたりに違(ちが)いないと、道(みち)ばたに小(ちい)さな供養(くよう)の塚(つか)をたて、一年(いちねん)に何度(なんど)か集(あつ)まってはサルの供養(くよう)をしたそうです。

 それからは、ひどい凶作(きょうさく)もなく、農作物(のうさくぶつ)もよくとれるようになり、だんだんと豊(ゆた)かになり、その塚(つか)は庚申(こうしん)様(さま)と呼(よ)ばれるようになったということです。

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