「食育」とは、単に「食」に関する知識を習得するだけではありません。日ごろ食べている食材が生産される過程に関心を持ち、「食」の大切さや農業の役割、地域の食文化などに対する理解を深め、感謝のこころや郷土愛を育むことが大切であると考えます。まずは、地元で生産される多彩な食材を理解すること。そのために、鮫川村では「旬菜旬食」「地産地消」を重視し、「食」と「農」の結びつきを身近に感じる学校給食をめざしています。
給食に使用する米や野菜などの農産物は、できる限り地元のものを優先して使用。「手・まめ・館」から年間を通して新鮮な野菜が届けられます。平成29年度における村内産農産物及び加工品の使用数は51品目。また、「平成30年度学校給食における地場産物活用状況調査」では、地場産物(県内産)活用率76.32%となりました。献立作成においても地場産物の優先的使用に努め、平成20年度からは「村内産食材100%使用献立実施日」を実現しています。
学校給食において、さらに地産地消を進めるためには、地場産農産物の安定的な確保が必要となります。そのため、「手・まめ・館」においては、学校給食用食材の安定確保に向けて生産拡大に取り組んでいます。
学校給食センターで限られた時間内に調理ができないもの、下処理に手間がかかるものについては、「手・まめ・館」にカット野菜などの一次加工をお願いし、納品してもらっています。これにより、地場産品の使用の幅が広がり、献立の充実につながっています。
かぼちゃカット、芋がらカット、凍み大根カット、里芋皮むき、すりじゅうねん(エゴマ)、ゆで大豆、ゆで小豆、たけのこ水煮 など
鮫川村の米飯給食は、保温機能付ガス炊飯器で炊いたご飯を炊飯器のまま学校に届け、炊き立てに近い状態で提供しています。平成18年度に当時の青生野小学校をモデル校として試行、同19年度から全校において本格実施となりました。炊飯業務は、村農産物加工・直売所「手・まめ・館」が担っています。子どもたちに地元産米を使った温かいご飯を提供することで「食」への関心を引き出すとともに、農村文化や農業への理解を深めることを目的としています。同時に、地産地消を推進することで、鮫川村の基幹産業である農業の振興を図っています。
米や野菜など給食用食材の生産者と子どもたちが会食する「食と農の交流会」を、鮫川小学校で開催しています。交流会当日の給食は、主な食材のすべてが村内産で、まさに生産者の顔が見える給食です。子どもたちは、生産者と会食をしながら安全な農作物の生産や収穫の喜びなどについて話を聞き、給食と農業が密接にかかわっていることを実感します。
献立 | 使用した村内産食材 |
ごはん | 村内産特別栽培米 |
鮫川エゴマ鶏の唐揚げ 〜ねぎソース〜 | 鶏肉(鮫川エゴマ鶏)、ねぎ |
豆まめサラダ | 大豆、青大豆、キャベツ、人参、小松菜 |
ゴロゴロ野菜のえごま汁 | じゃがいも、人参、ごぼう、だいこん、ねぎ、豆腐、エゴマ、みそ |
学校の給食時間に栄養士が訪問し、基本的な食生活や食事のマナー、食の大切さについての指導のほか、地場産物の紹介などを行っています。
毎日の献立について、栄養面や食材の紹介などを「給食一口メモ」としてまとめ、各学校に配付。給食時間の放送資料や給食指導等に活用してもらっています。
「食育」の一環として、児童・生徒が保護者と一緒に「おにぎり」を作り、家庭でのふれあいを深めながら「食」の大切さを理解し、感謝の心を育むことを目的に、「おにぎりの日」(おにぎりを家庭から持参する日)を年7回実施しています。
鮫川村では、「旬菜旬食」「地産地消」の給食づくり事業の一環として、古殿町出身で東京都南麻布の料理店「分とく山」総料理長の野?洋光氏の協力を得て、地元食材を活用した学校給食メニュー(鮫川村学校給食センターオリジナル献立)の開発に取り組みました。新たにメニューに加わったのは6品で、学校給食センターでは大量調理用にアレンジを加えながら献立作成に役立てています。また、家庭向けのレシピ集を作成し、小・中学生の家庭に配付しました。
「食」への興味・関心を高めるため、児童・生徒から給食献立のレシピを募集し、実際に給食の献立として採用する取り組みを平成22年度から行っています。これまで、村の特産である「大豆」を使った料理や「カミカミ献立」「せんいたっぷり献立」などのテーマでレシピを募集し、実際の給食の献立として採用しています。
学校給食センター 〒963-8401 鮫川村大字赤坂中野字宿ノ入34
電話番号:0247-49-2113 ファックス番号:0247-49-3922
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