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   細工を作って五十年以   上になるという緑川末治さんは、平成九年に村文化祭に「箕み」を出品し最優秀賞を受賞したほか、公民館事業の指導者を依頼されることもあります。小さいころから工作が好きだった末治さんは、冬期間など外で仕事ができないときに竹細工を始めました。 材料となる竹は、水分が抜ける秋の彼岸から春の彼岸にかけて集めます。それを削そいで砂で研磨し、しっかりと水分が抜けるまで乾燥させます。実際にカゴなどを編む際には、「角」が大切だと話す末治さん。一番壊れやすい部分のため、竹の節がこないように考えながら編んでいきます。長年の経験が成せる技です。また、作ったカゴなどを自分で使ってみて使い心地を確かめ、さらに使いやすく丈夫にと改良を加えてきました。 これまでに数え切れないほどの竹細工を作ってきた末治さんですが、「百点満点」ということはないといいます。さらにきれいに丈夫にと試行錯誤し続けています。それが竹細工に限らず、物づくりの魅力だと教えてくれました。竹細工いくつ作っても「百点満点」はないよりきれいで丈夫なものを竹むらの

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